銀魂小説
幼い記憶  (完

初めて聞く兄の怒涛にびっくりして足をとめる神楽

「何しにきやがった!!!!」

神威の眼の色が、再び赤く染まる

「神威・・?この男を殺したのはお前か・・!?」

「そぉだ!!俺が神楽を守った!!俺だけで十分なんだ!!!お前は宇宙にでもどこでもいっちまえ!!!!!」

星海坊主は驚きの表情を隠せなかった

この男、咲夜はここ数日間、星海坊主をつけていた敵国の殺し屋
かなりの腕まえと聞いていたが、まさかまだ7つの子供が・・・

「かむ・・」

「来るんじゃねぇ!!!」

神威は白い歯を見せて怒鳴った

それはとても幼い子供の怒鳴り声には聞こえない程に、憎しみに満ちていた

「お前のせいで神楽が危険な目に合ったんだ!!お前のせいでっおまえのっ!!!」

「神威っ」

「兄ちゃん!!」

ふたりが呼びかけても、神威は何かに取りつかれたかのように父親を睨み続けていた

おびえる神楽に星海坊主が手をのばす。

「!?」

ボトッ!!!

地面に長いものが落ちた

「パ・・・ピィ?」

「親殺し・・・俺にも挑戦させてくれよ・・・」


夜兎族の廃れた風習に、″親殺し″というものがあり、親を殺せたら一人前の「夜兎」になれるらしい。神威は一人前になりたかったわけじゃなかったが、正当な理由として「親殺し」を選んだ。これ以上もう、神楽を苦しませないために・・・・・・


「っつ・・・!」

星海坊主は肩を押さえて痛みに絶えた
地面に落ちたのは、星海坊主の右腕だった。


赤い眼をした神威がにやぁっと奇妙な笑みを浮かべ、星海坊主に突っ込んでいく

星海坊主は、血のにおいと己の怪我により夜兎の戦闘本能に任せ、全力で神威と戦った。


部屋の隅では神楽が震え、小さくなっているが、最早二人には見えてはいなかった


半刻を過ぎた頃、圧倒的にやられた神威がぐったりとしていた。

それでも構わず攻撃を続ける父に、神楽は精一杯の声をだして止めにはいった

「やめてぇぇ!!!パピィー怖いよ・・・!!兄ちゃん死んじゃうネ・・・!!!!!」


ハッと我に帰った星海坊主が力なく倒れる神威をみてあわてて抱き上げる

「神威!!」

声をかけても返答はなく、生死を彷徨っていた





それから間もなく、星海坊主は姿をくらました。

その数日後、神威は目覚める。


「・・・・・・」

頭がボーっとしていてなにも思い出せない

だけど、何日たったか知れないが体から自分のものじゃない血の匂いがした。


神楽がお昼の用意を終え、いつものように眠る神威の様子をみにきたところだった。布団は綺麗にたたまれ、神威の姿はそこには無かった

「にいちゃん・・・?」

神楽は一度だけ・・・兄の名を呼び、なぜか帰ってこないことを悟り、頬に一筋涙を伝わせた。

一人ぼっちになった神楽は、その日から泣くこともなくなり、10年間、その家に住んでいた。


いつか・・・いつか誰かが帰ってくるような気がして・・・・・








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