銀魂小説
冷雫  (高ミツ)

冷雫


「梅雨の時期ってなんだか無性に切なくなるっすよねぇ、晋助様?」

「そうでござるか?切ないといえばやはり恋煩いでござるよ、のぉ晋助殿?」

「ん?・・・あぁ・・・・・・」


″切ない″ か。そんな感情は・・・そうさな、あの時が最初で最後だろうなぁ・・・


高杉は薄く笑みを浮かべた

「晋助様?」






チチッチュチチチッ・・
鳥のさえずりがやけに大きく聞こえたその日は、ひどく晴れていた
障子の隙間からこぼれる光がまぶしく、男が目を覚ます


すぅっと静かに部屋の襖が開かれた

「晋助様、朝っす。起きてくだ・・・」

いつものように起こしに来たまた子はすでに普段着の着物に袖を通している高杉を見て言葉を慎んだ

「失礼いたしやした。朝食のご用意ができてるっす。お越しください」

「あぁ」

小さく返答し、刀を腰にさして部屋を後にした


「今日のご予定は?」
パンを片手にまた子が問う

「お前の新しい拳銃の仕入れ先と会う」

「!!〜晋助様ぁ〜〜!!また子感激っす!」

「ちえっ晋助殿はいつもまた子贔屓でつまらんでござるよ」

「妬いてんのか?万斉」

にやにやしながら言うまた子に「面白くない」といったような顔で拗ねる万斉。

「なんだ?お前も必要なものがあるのか?」

万斉の気も知れず高杉が聞く

「もういいでござる」

「なぁに拗ねてんだ?あいつぁ」

「ふふっ晋助様ってば」

不思議そうに万斉を見る高杉をみて思わずまた子は笑ってしまう

青い空の下の、鬼兵隊の朝の風景。



午後、笠をかぶった高杉と共にまた子とふたり取引先の商人の屋敷へと向かう

高杉が先を歩み、半歩後ろをまた子が早足で追いかける

(晋助様とおでかけっ嬉しいなぁ)

にこにこしながら歩いていると高杉が急に立ち止まり背中で鼻をぶつけてしまった

「ったい!・・・どうしたんすか?晋助様?」

ふっと一瞬笑ったかのようにみえたが、多分気のせいであろう。淡々と高杉は答えた


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