銀魂小説
紅月の夜 (二

あらわれた少年の髪は



銀色。






「綺麗な・・・、綺麗な色ですね」

優しい声が響く


そこで初めて、少年は先生と目を合わせた


「瞳の色も、とても特徴的で素敵です。」


初めて自分の容姿を誉められた少年の赤い目は

少し、うるんでいたようにみえた


「・・・銀。お主の名は銀でどうだ?」
桂が動揺を隠しながら、言った

「銀?俺の、名前・・・?」


「いい名前ですね」

先生はつづけた

「銀、帰るところはあるのですか?」

「・・・・・・」

「ここに居なさい。この子たちとともに学問を学びなさい」














「ズラー!これどこ干すんだぁ?」
「ズラじゃない!桂だと言っておろうが!」

「ズラー!こっち終わったぜぇ?」

「お前まで!俺は桂だぁ!!」

三人は仲が良いのか悪いのか
よく笑いあい、よく喧嘩をした

洗濯、買い物、掃除、食事の用意、学問、銀はこの家に住むようになって色んなことを学んだ
毎日の生活の中で、深い愛を知った

いつまでも、こんな何気ない日々が続くのだと思っていた

だが時代は流れ、この世界は変わりつつあった

天人との戦い、この国を守らんとする侍の攘夷戦争

平和だった日常が消されてゆく・・・・・・





「なぁー?先生見なかったかぁ?」

ある夕刻、先生の姿がなかった

「ヅラー。飯できたから先生呼びにいったんだけど、部屋にいなかったんだ」
「今日は出かける話は聞いていないが・・・高杉はなにか聞いておるか?」
「いや・・・?探しに行こう」


三人は当てもなく、日が沈まりかけた道を小走りに探した

「せんせぇー?松陽せんせーー」

なんとなくはいった薄暗い路地裏

そこを抜けると、天人の小さな基地があった

「しっ!やばい、ここ敵のうちだ!逃げるぞ!」
銀は高杉と桂の肩に手をかけ、ユウターンを促した

「!!待てっ!!!あれ、先生じゃないか!?」

かすかに開いていた戸から、手首を締めあげられている先生の姿が見えた

「!せんせっ」
「し!!黙れ!!」

叫ぼうとする高杉を、冷静に落ち着かせる桂。

どうやら先生は、敵につかまってしまったらしい。

「先生も、攘夷にかかわってたんだな・・・」
「銀・・・。」

どうすればよいのかがわからず、しばらくその隙間から先生の様子をうかがっていた

「どうやって助ける?」

「俺らの武器は・・・銀の刀だけだ」
「そういえば、お前それずっと持ってるよな?使えるのか?」

「当たり前だ。」

「誰かに教わったのか?」
「いや、いつの間にか身についていた」


「どうする?刀一本、子供三人で天人4人に勝てるか?」

「・・・・・・!!危ない!!!!」



桂との冷静な会話の中で、ちらと先生に目を向けたのは高杉。
先生に刃が向けられていた

「先生――!!!」

高杉は止める暇もなく、先生のもとに走り寄っていた

「高杉―――――!!!!」

容赦なく振り下ろされる刀



一面に、鈍い音と血が飛び散った・・・




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