銀魂小説
幼い記憶  (二

「大丈夫。神楽、ご飯作ってきてほしいな?」

「うん・・・」

小さく返事をして奥の部屋へと入って行った


「久し振りだな、神威。何歳になったんだ?」

「・・・7歳」

「大きく、なったな」

「・・・・・・」

「神威」

「なんだよ」

「神楽は毎日楽しそうか?」

「気になるなら家にいろよ・・・」

「そうしたいのは山々なんだが、仕事が、な・・・」

「・・・っ!!お前のは仕事なんかじゃねぇ!!殺人を楽しんでるだけじゃねぇかよ!!!何が・・・何が宇宙一だっ!!!!!」

「神威・・・」

神威は寂しい子供心とたよりない父親への憎悪の混ざった本音を初めて口にした

ただ傍に居て欲しいだけなのに。

ただ大きな父におもいっきり甘えたいだけなのに。

神楽の面倒をみて、責任を感じ、兄の務めを果たし、さみしい思いをさせないように・・・

張りつめた神威の心は崩れる寸前だった

「すまない・・・寂しい思いをさせて・・・」

「さっ寂しいもんか!!お前なんかいない方がいい!俺は神楽を十分に守ってやれてる!」

「そうか。頼りがいのあるお兄ちゃんだな・・・」

そう言って星海坊主の大きな手が神威の頭に伸びた
久しぶりの父親の手の感触。忘れかけてた親の温かさ・・・・・・

父さん・・・父さん・・・父さんっ・・・!!
泣き出しそうになりながらも神威は父へ甘えることは決してしなかった



「ふたりともぉ?ご飯・・・できたアルよ?」

そろぉ〜っと柱の陰から顔を覗かせたのは神楽。
神威の表情はさっきとは打って変わり、幼い子供の顔に戻っていた

神楽は安心し、ニカっと笑い二人に手招きをした



その日は三人で狭いお風呂に入り、床についた

星海坊主にしがみつくようにして眠る神楽の横で、少し離れて神威が寝ていた

星海坊主は神楽を起こさないようにゆっくりと布団からでて、二人の髪を愛おしそうに撫でその場を後にした

「すまんな。神威、神楽。」

外に出て、一言謝り、仕事にでかけた



布団の中で、神威の頬は少し、濡れていた・・・
神楽の傍へより目を閉じた。




ガタッガタガタッ!!

「ん・・・」
物音に起こされた神威は眠たい目をこすった

「おい、小僧。星海坊主はどこだ?」

おでこに拳銃を突きつけられた神威は一気に目が覚めた

「誰だってめぇ!!」

「どこだって聞いてんだよぉ!!!!」

「兄ちゃん!?」

男の大きな声で神楽が目を覚ましてしまった

襟元を鷲掴みにされ足が宙に浮いた状態で抵抗する神威を見て神楽の動きがとまる

「神楽、大丈夫だから。な?」

神威は無理に笑って怯える神楽をなだめた

口を割らない神威にいらだって、おでこに向けられていた銃口が向きをかえた

「おい、小娘!親父はどこだ?」

言われて神楽ははっとする。

「ぱぴぃー?・・・兄ちゃん!!パピィーが・・居ないよぉぉ!」

普段めったに泣かない神楽がぼろぼろと大粒の涙をみせた

中途半端に会ってしまうと離れづらくなる

そんなことはわかりきっていたのに、わかっていたのに・・・

神威は神楽を父に会わせたことをひどく後悔していた。


泣き叫ぶ神楽を見て苛々を募らせた男が神威を地面に叩きつける。そしてその手は神楽にのびていき、髪を鷲掴みにし持ち上げる


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