銀魂小説
幼い記憶  (三

「あ“―――!!!」

神楽の悲痛の声が響く

パラパラと桃色の髪が神威の足元に降ってきた

「痛い!にいちゃっ・・痛いよぅ!!」

神威に返事はない

ただ俯いて肩を震わせていた

「どうした小僧!泣いてるの・・・!?」

言い切る前に男は前のめりに倒れこんでいた

「グッ!?ガハッ!!」

なにがおこったのか全くわからなかった。

ただ、腹に激しい痛みを感じたのだ

男が顔をあげると、目の前には表情を失った少年が立っていた

その眼は冷たく、この世の物とは思えない程に恐ろしかった

少年の手には、赤い塊が握られていて・・・

雫がポタポタと腕を伝いこぼれていった。それがなんなのか気づくことなく、男は死に至った。

神威の手には・・・男の内臓が握り込まれていた・・・・・


血を感じた神威の眼は、標的の死を確認すると同時に色が変わった


「ふふっ!あはははははっ!!!」

狂ったように笑い出す兄、神威。

「にぃ、ちゃん?」

「あはっあははははははは!!!!!!」

「にいちゃん!!!!」

神楽の叫びに神威は一瞬我を取り戻した

「っ!神楽!!大丈夫か!?痛くなかったか!?」

「大丈夫だよ!兄ちゃんありがとう」

神威はそっと神楽の頭に手を伸ばしたが、血だらけのその手で触れることはできず宙をさ迷う。

神楽の表情は少しばかり強張っていた。

布団に飛び散った男の赤い血

足もとに落ちた、潰れた内臓・・・


ふたりの間に沈黙ができ、暫くの間その場で固まっていた


どれくらい時間がたったか、開けっ放しの玄関から星海坊主が現れた

「どうした!?無事か!神楽!!神威!?」

血のにおいを嗅ぎつけて、遠征より父が戻ってきた

「咲夜・・・!?」

星海坊主は倒れた男をそう呼んだ

「っパピィー!!!」

神楽は星海坊主に走り寄る

「神楽ぁ!!行くなぁぁぁ!!!!!」


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