武士道 番外編 「俺、真選組に入隊する!」 「え・・・!?」 「決めたよ、母さん。俺、父さんと同じものを見てみたいんだ」 「近藤さぁ〜ん?」 「おぉ〜葵ちゃん久しぶり!母さんは元気か?」 「ちょっと!ちゃん付けしないでくだせぇって何回言わせるんですかぃ?」 「ははっ!すまねぇな」 「おまえは誰に習ったわけでもないのにあいつと同じ喋り方をするんだな・・・」 「あっ!土方さん。お久しぶりでさぁ。今日は近藤さんに真面目な話があって寄らせて頂きやした。」 「なんだ?改まって?」 「俺を入隊させてくだせぇ!!」 「・・・!!ト、トシ・・・」 「あぁ・・・。葵、悪いがココに女は入れられねぇ。たとえ総悟の子供だとしてもだ」 「土方さん!!俺は女なんかじゃねぇ!体は女に産まれちまったけど!一度だって俺は自分を女だと思ったことはねぇんだ!!」 「葵・・・、チャイナには、母さんには話したのか?」 「!!話やしたよ、昨晩。」 「で?」 「泣いて・・・やした・・・」 「そうゆうことだ。母さんのためにも、お前をここに入れさせるわけにはいかねぇ」 「ごめんな、葵ちゃん」 「近藤さっ・・・!俺は!真剣に言ってるんでさぁ!自分で決めたことなんだ!お願いしやす!!俺を真選組に置いてくだせぇ!」 近藤と土方は一度視線をかわして、うなずいた 「帰りな・・・」 「葵!?ちょっ何してんだよ!?」 「銀さん。丁度よかった、後ろ、あんままとまらなくて困ってたんでさぁ。悪いけどちょっと手伝ってくだせぇ」 床には栗色の髪が敷き場められていた 腰まで伸ばした綺麗な髪に、葵は自らハサミを入れていた 「葵?ショートにしたいなら美容室に行」 「いいんだ!・・・。父さんと、同じ長さに切ってくだせぇ。」 銀時に握っていたハサミをわたして、それっきり口を開かなくなった 「・・・。」 銀時は一瞬戸惑ったが、葵の切りかけの髪にハサミを入れた 「これぐらいでいいんだな?」 銀時は葵に鏡をわたした 「・・・・・・」 初めて見たショート姿の自分は、写真で見た父、総悟にとてもよく似ていた 「母さん」 御飯支度をする神楽に後ろから声をかけた 「なぁに?」 「こっち、むいて?」 言われて神楽は振り向いた 「そ・・・ご・・・?」 神楽の頬に涙が伝った 「ごめん!母さん。泣かないで。俺、やっぱりあきらめきれないんだ。新撰組に入隊したいしたいんでさぁ!」 「葵・・・」 自分の「武士道」を貫いて自ら切腹の道を選んだ沖田。神楽はあの日最後に見せた沖田の笑顔を思いだしていた。 「総悟・・・どうしたらいいアル・・・?」 神楽は一人、思い悩んでいた やりたいことをさせるのが一番。頭ではわかっていても最愛の人を亡くしたその職業に、まだ15の、しかも娘に・・・ その日のうちには、答えは出なかった。 「こんにちはー?」 「あっチャイナさん」 「おージミー!久し振りアル!ストーカーのゴリはいるアルか?」 「今ちょっと出張中でして、土方さんならいますが・・・?」 「いいアル。土方呼んでくれるか?」 「久し振りアルよ」 「おぅ。葵の話か?」 「ん・・・。」 神楽は思いつめたような表情で口を開いた 「私はこの仕事が大っ嫌いアル」 「あぁ」 「ほんっとーに、大っ嫌いアル」 「あぁ」 そういうと神楽は自分が座っている場所から少し後ろにさがり、そして深くお辞儀をした 「葵を、入れてやってくれないか・・・?」 土方は予想外の言動に驚いていた 「あの子を・・・私の可愛い娘をこんな危険なところにやりたくないアル!!いつ死ぬかもわからないようなこんな仕事、ほんとはやって欲しくないアル・・・!!!だけど、総悟が生きてたら・・・生きてたらきっと!!!」 「わかった。もういいから、顔あげろ、近藤さんに言ってみる。俺が言ったらきっと承諾してくれるはずだから・・・ほんとにいいんだな?後悔しねぇな?」 「するアル!総悟を行かせたあの日から、後悔しなかった日なんか一度もないよ!!それでも、あの子の意思を尊重したいの・・・!」 土方は神楽の言葉を黙って聞いていた 短く切ったその栗色の髪は父譲り 口調は誰に教わったでもなく、崩れた敬語 誰よりも母を愛し、誰よりも近藤、土方を敬った 16になる年に真選組に入隊 17には実力で隊長に昇格 真撰組一番隊隊長、沖田葵 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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