『あ、銀ちゃん私これ欲しいネ』 『ん〜?…?!たっ高っ!!銀さんこんなの無理無理無理!!』 『銀ちゃんに期待なんてしてないアルよ。サンタに言っとくだけでいーネ』 『あぁ、さ、サンタさんにね…うん、でも今年痔が酷くて回れるかわからないって言ってた気がするな〜』 クルックルの天パ頭に指を突っ込んでさらにクルクル回しながら言い訳を探す ほぼ無職に近いこの俺が買ってあげられる値段ではないのだ 今年も酢コンブあたりでと思っていた分上手い理由が見つからない 白のモコモコテディーベア。 抱きしめ心地の良さそうな大ぶりな体に、小さな真っ黒な瞳、ピンクレースのリボンをあしらわれたソレは25万と表示されていた 『そよちゃんが沢山持ってるネ、私も一つ欲しいアル。一緒に遊びたいネ!』 あぁ道理で。この破天荒娘がクマのぬいぐるみなんて欲しがるから何事かと思えば 女の子は同じものを欲しがる面倒な習性があるもんだ 『とりあえず!サンタによろしくな!』 二カッと笑うものだから断るに断りきれず曖昧な返事をしてしまった。 パチンコで一発当てるか? ババァに借りるか?嫌無理だろ どーしたもんかなぁ〜 『銀ちゃん早く!帰って鍋の用意するアル!』 先を歩く小さな頭がこちらを振り返り手招きをする ショーウィンドウのくまからどんどん離れて行く あ、予約しなきゃ… なんて考えているとやがて小さな頭は見えなくなった 一人店に戻った銀時は店員を探す 『あ、旦那ぁ何してんですかぃ?こんな可愛らしい店で』 『あらー沖田くん〜いいところに!』 パトロール中?だと言う沖田と出会い顔がパァーと明るくなる銀時 『お前うちの神楽ちゃんと最近どうなの?ねーどうなのっ?銀さん、耳寄りな情報持っちゃってるんだけど欲しくない?!』 『なっちょっ声が大きいでさぁ!!…み、耳寄り?』 赤くなりながらも食いつくところにはしっかりと食いついた、狙い通り 『神楽ちゃん、そこにあるくまちゃんが欲しいらしーのよ〜』 『あの白のですかぃ?』 二人で目線をくまにやる 『いくらですかぃ?』 『25万円』 『よし、買った』 『えぇ?!』 『あいつのためなら安いもんでさぁ』 大の大人が頭を抱えていたあの白熊を二つ返事で買ってしまった青年に動揺が隠せない 俺も公務員になろうか… 『旦那ぁ、それじゃコレ頼みまさぁ』 可愛らしくラッピングが施されたくまを渡されそうになる 『あ?せっかく買ってやったのに自分で渡さねぇのか?』 『こっこんなの渡せるかっ!絶対バカにするだろぃ』 耳まで真っ赤にして焦る沖田を見てひとつ、あぁこいつらまだ付き合ってねぇーんだ そんなことを考え年寄りはお節介をやく 『銀さんこれから寄る所があるから渡しに行ってやりな!今頃家で鍋の準備でもしてんだろーよ!』 『えっちょ旦那っまっ!!』 言い終わる前にふらりと目の前から姿を消した 『ま、まじでか…』 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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