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定期テスト前ということで元希の家で勉強会のはずだったんだけど、どうにもこうにもやる気が起きない。
どっちかっていうといつもの逆であたしより元希の方がやる気があるみたいで、元希はさっきから数学の問題集を相手に奮闘している。
一方あたしは元希が数学と戦う姿を見ているだけだ。
真剣に考えてるんだけど一向に動かない左手。
少々動いたとしてもそれは問題集に無駄に線をひくだとか、数字に丸をつけるだとか、問題を解くのには特に関係のない行為だった。
ねえ、左手もっと動かしてよ。

「数学わかんねー!」

元希はそう言ってペンを持つことを放棄した。
そんな元希を見て残念がる自分は意味が分からないけど、さっきから見つめていた元希の左手をもっと見ていたいと思ってる自分がいるのは確か。

「ね、元希。」

「あ?」

「あたし元希の左手好きなんだよね。」

今分かった、と付け足して言ったら元希は思いきり顔を歪ませて意味が分からないという意を含む声をあげた。
あたしはそんな元希をシカトして元希の左手をとった。

「何だよ。」

元希はそうやって頭に疑問符を並べるだけだろうけどあたしには関係ない。
あたしにされるがままの元希の左手はマメはできてるし皮はむけていたけど、大きくて指なんかスラッと長かった。
筋肉なのか知らないけど程よくふっくらしてて骨ばっていない元希の左手が愛しい。
この左手からあの豪速球が放たれることを考えると身震いする。

「しかも左利きって何かいいよね。」

「お前さっきから意味分かんねぇんだけど。」

「数学よりは分かると思うけど?」

「どっちもどっちだよ。」

はぁ、とため息をつく元希。
呆れてはいるけどあたしを振り払おうとはしないから嫌なわけではないんだと思う。

「ねぇ、もっと左手動かしてよ。」

「お前が手を離してくれて、数学教えてくれたらな。」

元希はにかっと笑って少し身を乗り出した。
あたしは元希の要望に応えて手を離して、ろくに出来もしない数学を教えることにした。








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かなり自分の好みが入った夢になった\(^O^)/←←
左利きっていいですよね!←
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